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2020/05/12 ISU副会長アレクサンドル・ラケールニク:フィギュアスケートのルール変更について

https://www.sport-express.ru/figure-skating/reviews/v-figurnom-katanii-izmenili-pravila-figurnoe-katanie-pravila-chetvernye-pryzhki-v-figurnom-katanii-skolko-stoyat-pryzhki-v-figurnom-katanii-1671717/

2020/05/12 フィギュアスケートのルールが変更された。それは何を意味するか、そしてザギートワは?

====一部抜粋=====

(ドミートリー・クズネツォフ)
フィギュアスケートにおいては、長い間変更が無かった — 国際スケート連盟ではそのような考えに立ち、5月11日、2020/21年シーズンに向けた新ルールを発表した。反応はまちまちだった。ロシアのニュース報道に登場する常連たちは、トルーソワ、プリューシェンコ、トゥトベリーゼをこきおろすことから離れて、改革について語らざるを得なかった。たとえば、イリヤ・アヴェルブーフはこの新ルールに反対し、アレクセイ・ミーシンはむしろ賛成の立場で、タチヤーナ・タラーソワは、起こっていることの全ては、何ら重大なものではないと考えている。

変更は実際、運命を決めるような重要なものではない。しかしながら、それらを、トルーソワがグレイヘンガウスからの携帯電話の呼び出し音を無視したようにして、無視する訳にもいかないだろう。

簡潔に言えば、主要な変更点は二つだ:
1. 四回転ループ、四回転フリップ、四回転ルッツが、同じく11ポイントずつになる(以前はそれぞれ10.5、11、11.5だった)。三回転フリップと三回転ルッツも同等になる(以前は5.3と5.9)。

2. 以前、フィギュアスケーターは、完全な回転つまり回り切ってジャンプを跳ぶことも出来たし;0~89度回り切らないことも出来た、その時はジャッジによってGOEが下げられたが、基礎点はあった;90度以上回り切らないことも出来た — その時はジャンプの基礎点でも、GOEでもポイントを失った。今度のルールでは、中間的位置のqが現れる — ジャンプがちょうど4分の一回転不足している時だ。そのような場合、スケーターは基礎点を失うことはなく、ジャッジたちはGOEを減らすことだけに制限される — +3から+1までの条件で。

アリョーナ・コストルナーヤが以前、もしトリプルアクセルを90度の回転不足で跳んだとすれば — その得点は6.40だったかもしれないし、この得点からは既に、ジャッジたちの平均出来栄え点が差し引かれていた筈だ。しかし今度は、基礎点8.0はそのまま残るだろう。しかし何れにせよ、角度の算定は主観的なものであり、サッカーでVAR(ビデオ判定)が導入される以前のオフサイドのようなものだ。

このビデオでは、ヨーロッパ選手権でのアリョーナの回転不足の可能性を検討している。
https://www.instagram.com/p/B718wvAJQKI/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading

最も興味深いことは — 多くの先例のように、ルールはエテリ・トゥトベリーゼの女子生徒たちのせいで変更されている。しかし今回は逆にロシアの立場に立ったものになっている。覚えておられるかもしれないが、秋にロシアフィギュアスケートの指導者たちが、滅多にあることではないが、公開のメディアに登場して記者会見を開いた。その席では、グランプリ諸大会でロシア女子選手たちに付けられた議論の余地ある回転不足に対する不満が述べられた。第一にそれは、アンナ・シェルバコーワとアリーナ・ザギートワに関することだった。

Sport-Expressのインタビューで、ISU副会長アレクサンドル・ラケールニクは次のように語った。「変更は革命的なものではない。それは結果に大きく影響する可能性の低い、小さな変更だ。世界記録はどうなるのか?との質問を受けたが、私はこう答えた。これらの変更は大きな影響を与える可能性は低いのであるから、既にある数字が続行可能だと」。

—順番に行きましょう。最初の重要な変更は — 四回転ルッツ、フリップ、ループの難易度と、三回転ルッツ、フリップの難易度を同等としたことです。全員が満足している訳ではありません。

「技術委員会が達した結論は、ルッツ-フリップ-ループ-サルコウ-トウループという順番の、難易度のある種のヒエラルキーに関する標準的論理は、四回転レベルでは通用しなくなっているということだ。最も難しいジャンプは、ループである可能性がある。フリップとルッツへのアプローチは変化した。それらはもう長い弧を描いてから跳ぶことはなく、技術的に接近した。アスリートは、これやあれやのジャンプを学ぶのは点数が高いからではない — 小さな差なのだから。彼にとってよりやり易いからだ。(四回転)トウループは最も簡単で、それは(トリプル)アクセルに近い。サルコウも実際は簡単ではない。しかし、より難易度の高いジャンプの場合、同等にするという方向で行くことにした。三回転ルッツとフリップの同等に関しては、それは四回転のための変更の余波だ」。

—ルッツはフリップよりも難しいのではありませんか?

「あなた自身が滑ったことがありますか?」。

—私は一回転アクセルに近づいています。それも床で。

「ほら、御覧なさい。一回転ルッツとフリップの場合半世紀前では、これは(あなたが言ったこと)全て当てはまる。長い弧から跳ぶのはより難しい。今はそのように跳んでいない — ジャンプへの準備の過程で一方のエッジから他方のエッジへと切り替え、最後に必要とされるエッジから踏み切るのだ。様々な意見があるかもしれない:誰かは決定を支持し、誰かは支持しない。しかし、私は技術委員会を理解している。フリップとルッツの基礎点の差異は半ポイントだが、GOE(sport-express注:ジャッジが付けることが出来る−5から+5までの出来栄え点)における差異は10ポイントで、これは個々の要素に対するポイントの差よりも大きい。今、より重要なのは跳ぶことではなく、どれだけ質良くそれを実行するかだ。四回転レベルでは、GOEはジャンプの基礎点よりも重要になっている」。

—第二の変更は、qという文字の出現です。どういう意味なのでしょう?

「もしあなたが昨シーズンの競技会をフォローしていたなら、難度の高いジャンプの回転不足において多くの矛盾を目にした筈だ。突然厳しいテクニカルチームが出くわしたり、一斉に回転不足が始まったり。私は名前を挙げないが、あなた自身が見てみればよい」。

—これはロシアフィギュアスケート連盟側からの批判に関係しているということですか?

「そういうことだ。ネガティヴがあった。この状況が誰を傷つけたか、あなた自身ご存知だろう。問題は、これらの回転不足がどのように付けられ、非常に多くのことが犠牲になったことでさえなく、一週間後の別のグランプリ大会では全てが変わり、対応が正当なものになったことにある。全く同じパフォーマンスを誰かはほぼダウングレード(sport-express注:一回転少ないジャンプに相当させること)と解釈し、誰かは通常のジャンプと解釈した。シングルスケートには、非常に多くのコントローラーやスペシャリストがいて、全員を共通認識に導くのは、ペアスケートと違って、より難しいのだ。

技術委員会は次のような道を行くことにした:完全な回転と回転不足の間に、きっかり4分の1の回転不足である中間的ポジションqを導入した。以前は、4分の1は許容範囲だったが、二年前にそれを下げてチェックマークを付けることを始めた。今度から技術チームにおいてはギリギリの状態である『チェックマーク』と完全な回転との間で論争されるのではなく、『チェックマーク』を付けるべきか、あるいはqを付けるべきか?で議論されるだろうということを見込んでいる。Qか、あるいは完全な回転か? 議論が少なくなることはないだろうが、結果(成績)への影響は減少する。qの時、基礎点は残るが、ジャッジたちはGOEを下げる。この時の出来栄え点は、+のままか非常に高いままである可能性すらある。これらの議論が最終的にどう解決されるのかの道筋はまだ見えないけれども、それらを平滑にすることは出来る」。

—q自体は何度ですか? 85度と95度の間?

「5度〜10度は、そこが5度で、こちらが10度だとは誰も見分けられない。しかし、経験ある技術チームにとってはきっかり4分の1の回転不足というのは、便利なラインなのだ。それは着氷しなければならない円弧を正確に横切っている。最高のジャンプでもやはり幾らかは回転不足だ。もしスケーターが垂直に着氷すれば、転倒してしまうから。熟練した目には90度はすぐに判る。

現在日本人たちが、空中での回転角度を計測出来るシステムに取り組んでいる」。

—彼らは前進したのでしょうか?

「私は二月に彼らが開発したものと、それらが何を出来るのかを見た。非常に面白い。もしそれが導入されれば、どこが回転不足の境界か、何点を付けるべきかの問題が残るだけだ」。

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  1. 2020/05/31(日) 15:44:00|
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2020/05/12 ラファエル・アルチュニャーン「ロシアでは、アスリートのいかなる移行もとても異常な受け取り方をされる」

https://russian.rt.com/sport/article/745674-arutyunyan-trusova-plyuschenko-tutberidze

2020/05/12 ラファエル・アルチュニャーン「常に前に押し進むアスリートがいる」 — トルーソワのポテンシャルと、トゥトベリーゼからプリューシェンコへの彼女の移行について —  〜その②〜

====一部抜粋。前回の箇所の前に来る部分の訳です。 =====

(エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ)
—アレクサンドラ・トルーソワが、エテリ・トゥトベリーゼのグループから去る決心をしたことが明らかになった時、あなたは次のように発言しました:ロシアのフィギュアスケーターたちは自分に作られた環境に非常に依存しており、自分たち自身で何らかの方向に踏み出した一歩は、どのようなものであれ逃亡とみなされていると。何が言いたかったのか、説明していただけますか。

「ロシアのアスリートたちは皆(トルーソワに関してだけでなく)、自分自身で成長したのではないと言うことを理解する必要がある。彼らには、自分たちの努力、自分たちのお金、それに一定の組織や人々が投資されており、それ故ロシアでは、いかなる移行や離別もとても異常な受け取り方をされる。

外国のコーチたちは、ほとんどそのことを認識していないと、私は感じる。自分たちのところに、ロシアからアスリートが来れば受け入れ、他のフィギュアスケーターたちと働くのと全く同じように働き続けることが出来ると考えている。私はアメリカに長年住み、アメリカのコーチだと考えられているけれども、この特殊性を非常に良く理解している。ロシアのフィギュアスケーターのいかなる移行も、まずは元コーチたちとも、ましてロシアのフィギュアスケート連盟指導部とも完全に一致を見るべきだと思う」。

—つまり、以前の生活から普通に離れて、新しい生活に入ることは出来ないと?

「それは全く非現実的だ。そこでは状況が違うのだから。例えば、アスリート自身が自分のために長年自分でお金を払い、自分のためにコーチを選び、同時にトレーニングプロセスに何らかの形で参加する他の専門家たちを自分の判断で雇っていたが、その後突然全てを変える決心をした。そして、実際に変えた:新しい人々を自分のお金で雇った、というような状況とは訳が違うのだ。

ロシアでは、そのようなことはあり得ない。今に至るまで、ソヴィエト時代に植え付けられた原則や考えの中で多くのことが維持されている。それでもそこでロシアのアスリートたちが、自分自身で全ての支払いを始めるとするなら、その時は彼らもやりたいことをやるようになるだろう、そうでしょう? ただあのエテリ・トゥトベリーゼは、自分の生徒が離れることに対して、以前ほど厳しい反応はしていないと、私は感じたけれども」。

—物議をかもす見解がありました。トゥトベリーゼグループの振付師の一人が、数日前インタビューを受けましたが、その中でトルーソワの、エヴゲーニー・プリューシェンコへの移行は裏切り行為だと言い、背中に刃物を突き刺されることに喩えました。そして『人が裏切るなら、その人はわれわれにとってもう存在しない』と言ったのです。

「私はそれを全く理解出来ない。それでは、トルーソワが自分のかつての師、アレクサンドル・ヴォルコフからトゥトベリーゼのところに移行した時、彼女は裏切り行為をしたと、何故当時コーチの誰一人言わなかったのだろう? 他の専門家から自分のグループにやって来る選手たちは皆一度も裏切り行為をしておらず、去る時には裏切り者になるということだろうか? 可笑しなことだ。そのようなことではいけないと私は思う。自分のところにアスリートを受け入れるなら、自分たちのためにそれ迄彼を準備した人たちに感謝をすべきだ。自分たちのところから去るならば、成功を願うべきだ」。

—ロシアで才能ある女子選手の誰かがコーチから離れるや否や、今後のコーチとしてすぐにあなたの名前が取り沙汰されます。トルーソワの移行の過程で、あなたに何らかの接触がありましたか?

「このような話の過程では、ほとんど常に私に接触がある。ロシアのアスリートたちを含め、彼らは非常に頻繁に話を持ってくる。しかし、私が既に述べたことの全てを考慮して、いくつかのオファーからは即、逃れようとしている。関わりたくないからだ。

フィギュアスケーターと仕事を始める時には、全てにことに関心を持つ:その子がどこで、どのように育ったのか、何を志向しているか、トレーニングにどれ程慣れているか。しかしもし、外国のスケーターを私がこの面で非常に良く理解するとしたら、ロシアのアスリートやその両親と恒常的にいかにして働くかは、あまり良く想像出来ない。何故なら、彼らは別の環境で育っており、そこでは彼らに無料で氷が提供され、朝から夜まで彼らの面倒を見ているコーチグループが存在した。私自身がロシアに住んでいた時に、そうしたように。しかし私は今、ネイサン・チェンと対等に働いており、私と彼はむしろパートナーだ」。

—しかし、私の理解が間違っていなければ、あなたにも、ネイサンの家族とかなり深刻な対立の時期がありましたよね。

「あった。その時期でも、奇妙なことに、私はネイサンの母親の立場を常に、十分に理解していた。彼女は当時、自分の息子が本物のフィギュアスケーターになるように、非常に多くのエネルギーを注ぎ込んだ。西洋には、アスリートの集中的育成というものが存在しないから、その欠如はそれに取って代わる、他の何かで補わなければならないことはお分かりだろう。ネイサンの場合、それは母親だったし、ミシェル・クワンの場合は父親だったし、という具合だ。だから私は常に、チェンの母親が、たとえコーチとしての私が気に入らないステップを彼女が踏んでいるとしても、彼女が自分の息子の育成に独自に見解を持っていることに、敬意を払って接していた。時が経ち、チェンの母親自身が私に言った:『あなたは息子のために、他の誰も出来ないことをしてくれました。』と」。

—全ては、コーチの忍耐のうちという訳ですか?

「そうとも言える。私は何らかのことを堪えて克服し、そして今では成熟し大人になった若者が私の言うことに耳を傾けている。そして一つ一つのことばに頷き、私が要求する全てを遂行している。しかし、これは盲目的従属ではなく、お互いへの信頼と尊敬の、何か全く別のレベルの関係なのだ」。

  1. 2020/05/23(土) 16:01:00|
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2020/05/12 ラファエル・アルチュニャーン「常に前に押し進むアスリートがいる」 — トルーソワのポテンシャルと、トゥトベリーゼからプリューシェンコへの彼女の移行について —  〜その①〜

https://russian.rt.com/sport/article/745674-arutyunyan-trusova-plyuschenko-tutberidze

2020/05/12 ラファエル・アルチュニャーン「常に前に押し進むアスリートがいる」 — トルーソワのポテンシャルと、トゥトベリーゼからプリューシェンコへの彼女の移行について —  〜その①〜

====一部抜粋 =====

(エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ)
—チェンのイェール大学でのアカデミー休暇(休学)に関する問題は解決出来たのですか?

ラファエル・アルチュニャーン:「解決した。彼は文字通り二、三日前に最後の試験に合格し、『大学での勉強に関わる全ては終了しました。これからは、仕事に完全に集中出来ます。』と言った。ネイサンは既にカリフォルニアに戻り、アパートメントを借り、トレーニングに着手した。今私は、リンクが開いた時に私と彼の、個別の氷が持てるように交渉しているところだ。

私たちはそれが無くても、悪くない環境ではある:一つの氷に5~6人ずつだから。しかし、時には個別に、アメリカで言われるようにface to faceで働ける機会を持ちたいこともある。何か本格的に良いものをやって、チェンをエリートスケーターに変えたいのだ」。

—オリンピック以外の全てのビッグタイトルを取った選手にそれを言うとは、興味深いですね・・・

「あなたの皮肉も理解出来るが、多くの細部は改善出来るし、全ての面で進歩出来る。少し前に私はネイサンとこれについて話し合い、率直に言った。彼の滑りの多くのことが私には気に入らないと」。

—それで、反応はどうだったのですか?

「彼は、『僕もそうです。』と答えた。従ってわれわれは、多くの取り組むべきことを計画している。何らかのダンススクールに行くこと、新しいプログラムを試すこと、何らかの新しいエレメントを考え出すこと、全体的に難易度を上げることなど。われわれは過去二回の世界選手権でのネイサンのパフォーマンスを全て見て、二回目の試合は、一回目よりも弱くなったという結論に達した。結果として勝ってはいるけれども」。

—トルーソワの話に戻りたいですね。というのも、難易度への現実離れした彼女の志向が、私にはあなたの生徒を強く思い起こさせるからです。エヴゲーニー・プリューシェンコへ彼女が移行してすぐに、何人かの専門家たちは次のような意見を表明しました。つまり、四種類の四回転ジャンプをものにしたとしても、サーシャ(アレクサンドラ)にはマイナスの数が非常に多い:スケーティング、スピンの技術等々に欠陥があると。

「シニアのグランプリファイナルで、トルーソワはどんな成績でしたかね?」。

—3位でした。

「つまり、私の理解が正しいとすると:グランプリファイナルで3位になり、その後コーチを変えることを決断した時、彼女に突然あらゆる欠陥が現れ始めたということを、われわれは今話しているのだね?」。

—フィギュアスケーターがプログラムの中でこのような数のクワドを跳ぶ時(これはネイサン・チェンのことではありませんよ)、プログラムはただジャンプからジャンプへの滑りに変容するということは同意なさいますね。だってあなた自身が、作品にジャンプが多過ぎると残りの全てへの時間が全く残らないと、繰り返し言っていました。

「それはそうだが、論理的に話そうじゃないか:ある人たちがある価値体系を創出し、そこに自分たちの労力を投じた、アスリートはその人たちの全ての要求を遂行し、3位になった、ところが今やわれわれは、彼は何か正しくない滑りをしていると言い出している? それならそのように今あるシステムに変更を加えれば良い。しかし、私が理解出来ないのは、アスリートが自分に示されたルールに従ってプレーしていることで、そのアスリートを誰かが非難し始めるということだ」。

—もしあなたがトルーソワの今のコーチの立場だとしたら、フリープログラムで5本の四回転ジャンプをどう維持するかを考え始めるでしょうか、それともプログラムをもっと簡単にするのがあなたのためだと言って、アスリートを説得しようとするでしょうか?

「実は、サーシャがもしプログラムに5本の四回転ではなく、3本を残すとしても、それは女子にとっては多いのだ。まして女子選手は皆、年齢と共に跳べなくなって来るということを考えれば。サーシャがこのような数の四回転を維持するのは非常に難しくなるだろうと、私は100パーセント確信している。だから、滑りや、技術、スケーティング、スピン、それに素晴らしく跳べる人であってもジャンプ技術の向上に取り組まなければならないのだ。これに毎日取り組まなければ、スキルは非常に急速に失われて行く。例えばネイサンは、アクセル以外の全ての四回転を跳ぶことが出来るが、しかし彼とて毎日それらに取り組んでいるのだ」。

—トルーソワは二つのグランプリ大会で勝利し、その後ロシア選手権で主要大会に選出されましたが、その彼女がグランプリファイナルで3位になった時、トゥトベリーゼグループの女子選手たちの一人の母親が、私にこう言いました:『サーシャは巨大な心理的バリアを乗り越えることが出来ました。彼女のコーチたちもそうです(彼女のお陰で)。彼女は、自分のイニシアチブで四回転ジャンプに向かって行った最初の子供です。ただそれをとてもしたいというだけで。彼女以外の全員は、四回転ジャンプを跳ぶことを非常に長い間禁じられていました。なぜならコーチたちは怪我を恐れていたからです。トルーソワこそが、最初の四回転をまだ子供の時に跳び始め、その後でやっと彼女の後から、残りの皆がそれを試し出したのです』。

「そのモチベーションも役割を果たした。サーシャ自身にそれ程のモチベーションがあったのか、それとも彼女の両親にあったのかは分かりかねるが、しかし彼女はプログラムの中で5本の四回転を跳びたいと願い、それを実行した。基本的にネイサンもかつて全く同じように行動した:僕はやりたい、だから 僕はやる! それに彼の母親もそれを望んでいた。私は、全く不当なリスクを何とか止めようと試みはしたが、進歩は進歩だしどうしようもないと理解していた。

別問題としてあるのは、全てを考量することが出来なければならないということだ。われわれのスポーツ種目では、誰も戦術を無視出来ない。サーカーも同じだ。サッカーでは全員がとにかく様々なポジションでプレー出来るし、全員が良く走るが、しかし、全員がフォワードに出て行く訳ではない。

もし、あのトルーソワか、あのネイサンがかつて競技者として、よりプロフェッショナルであったとすれば、恐らく、いくつかの状況で、今日は2本のジャンプ、明日は3本、などというような戦術を使うべきだということに同意しただろう。しかし、彼らはどちらも、周りを見回すことなく前に押し進む、ひたすらモチベーションが非常に高い選手たちで、そういったことは何もやらない。ということは、コーチに出来ることは、隣にただ立って、全力で助けることだけだ」。

—あなたの見方では、トルーソワの技術は、ジャンプの面で彼女がさらに前進することを、どれ程可能にすると思われますか?

「ちなみに、彼女は良い技術を持っている。全てが本当にスーパーだとは言わないが、サーシャは十分に正常に跳んでいる。彼女と一緒に働けるし、彼女は自分自身に非常に厳しい人間で、モチベーションがあり、沢山のジャンプをしたいと思っている、そのようなことが見て取れる。これはコーチにとっては、非常に恵まれた土壌だ」。

—プロフェッショナルな女子アスリートとして、私は別のことも理解しています:もし《フルスターリヌィー》の女子選手たちが、主要な大会の公式練習で、40分間で50回ずつジャンプするとすれば、普段の練習では彼女たちははるかに多く跳んでおり、彼女たちの筋肉の記憶は、それ程集中的に跳んでいない選手たちよりも、はるかに強く培われています。このような場合、アスリートの成長に連れて再教育することや、何らかの技術的不備を単に修正することすら、大変に困難な仕事となります。

「その通りだ。単純な計算表を示そう:一回の練習で100回のジャンプなら、一日に200回のジャンプで、週に1200回、1ヶ月ほぼ5000、一年で約5万回か、あるいはそれ以上だ。これらの少女たちが皆、このような体制で5年か6年位滑っている。その後このような女子選手があなたのところへやって来て、あなたは彼女と働き始めるが、四方八方からこんなことばが飛んで来る:あらあら、あなたのところの彼女は既に半年滑っているのに、何も変わらなかった。

みなさん、半年間であなたが出来ることは、比喩的に言えば、そこに何かを書きたいと思う、キャンバスの下塗りだけだ。だから、自分のアスリートに少なくともいくつかの変化が見え始める迄には2年が必要だと私が言う時、私はこの数字を単純に口にしているだけではないのだ:新しい筋肉の記憶を植え付けるためだけに2年かかるのだ。そしてその後やっと、何らかの新しい技術や安定性について言い出すことが出来るのだ」。

  1. 2020/05/15(金) 01:45:00|
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2020/05/01 アレクセイ・ミーシン「卓越したアスリートになるためには、三つの要素が結びつかなければならない」

https://fsrussia.ru/intervyu/5009-aleksej-mishin-mozhno-katat-sya-dolgo-mozhno-katat-sya-korotko-no-nuzhno-katat-sya-khorosho.html

2020/05/01 アレクセイ・ミーシン「長い期間滑ることは出来るし、短い期間滑ることも出来るが、必要なのは良い滑りをすることだ」 〜その②〜

====一部抜粋====

(オリガ・エルモーリナ)
—あなたの考えでは、チャンピオンと普通のアスリートでは、何が違うのでしょうか?

「この質問ではあまり正確な答えにならないのでこうしよう:卓越したアスリートになるためには、どのような要素が結びつかなければならないか? 三つの要素がある:アスリートは才能を持って生まれなければならない、そして彼は、適切な場所で、適切な指導者に出会わなければならない。

例を挙げよう:アルトゥール・ドミートリエフだ。ある時、私の元生徒だったファニス・シャキルズャーノフが、自分のところに才能のあるシングルスケーターがいると、私に手紙を書いて来た。当時、私のところには良いアスリートたちが揃っていたし、それにアルトゥールは非常に大きな体格をしていたから、私はシングルスケーターとしては彼を見なかった。その後シャキルズャーノフは、モスクヴィナと連絡を取った。モスクヴィナは、若者をノリリスクから採用した。そしてどうなったか? 才能あるアスリート、アルトゥール・ドミートリエフは、既にオリンピックチャンピオンたちが練習を積んでいた、ペテルブルクのモスクヴィナの指導下に入った。彼は正しい指導者たちに出会い、オリンピックで二度勝利した。

もう一つの例。才能あるジェーニャ・プリューシェンコは、《ユビレイヌィー》で、オリンピックチャンピオン、アレクセイ・ウルマーノフやその他の素晴らしい選手たちと一緒のグループという適切な場所を見出し、しかも私たちという、正しい指導者たちの下に入った。その後のことは皆が知っている・・・

私は、マリーナ・ヴラディが出演していた、《女魔法使い》という映画を、ウラジーミル・ヴィソーツキー(訳注:シンガーソングライター、俳優、詩人。フランスの女優、マリーナ・ヴラディと10年間の結婚生活)の事と共に思い出す。もし美しい女魔法使いが森に残ったとしたら、彼女の美しさを誰も知らないままだったろう・・・」。

—アスリートの成功は、彼自身にどの程度依存するものなのか、そしてどの程度、一緒に働いているコーチに依存するものなのでしょうか?

「才能のあるアスリートと悪いコーチは、才能の無いアスリートと素晴らしいコーチに勝利する」。

—簡潔かつ深いですね。

—最近フィギュアスケートは、ロシアで大層人気があり、インターネットで盛んに議論され、どの選手が何をやらなければならないかを皆承知しています。あるユーモア作家は『全てのハタリスは、農学者である』と言いましたが、まるでそのような状況です。これに対しあなたはどう思いますか?

「好きなように語らせ、書かせればよろしい。ハタリスであろうと、農学者であろうと。それを止めることは不可能だ。多くのコメントがあり、悪いコメントも馬鹿げたコメントもある。しかし、それらの中には素晴らしい分析があり、その筆者は、詳細な分析に基づいた、道理に適ったことを言っている。だから私の立場はこうだ:皆が意見を述べれば良い。アルコールの禁止は、インターネットでの酒の密造につながる」。

—コーチという職業で何があなたを惹きつけているのですか?

「私は多くのことを出来るが、リンクで取り組んでいることが何よりも上手く行っている、と答えよう」。

  1. 2020/05/07(木) 15:56:00|
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2020/05/01 アレクセイ・ミーシン「長い期間滑ることは出来るし、短い期間滑ることも出来るが、必要なのは良い滑りをすることだ」 〜その①〜

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2020/05/01 アレクセイ・ミーシン「長い期間滑ることは出来るし、短い期間滑ることも出来るが、必要なのは良い滑りをすることだ」 〜その①〜

====一部抜粋====

(オリガ・エルモーリナ)
—アレクセイ・ニコラエヴィチ、隔離期間をどう過ごされていますか?

「ペテルブルクでは、隔離がモスクワとは少し違っている。それに私は理論的に理解している:外に出ること、ジョギング、どこかに出かけること、友人のところに行くこと、スケートリンクで少しでも練習することなどの可能性が無い時の密室恐怖症とは何なのかを、住まいでどう過ごしたら良いのかを。私はそれを理解している。また幸いなことに、われわれのグループのスケーターの大部分がダーチャ(菜園付きの小さな一戸建て。コテージ)を持っているので、郊外に行くことが出来る。私もダーチャで過ごして、シーズンの残った部分、ラストスパートのために、この休息期間を利用して、エネルギー、強さ、健康を蓄積しようとしている。

私の日常を語るとすれば、起床して、ジョギングして、私の漁具に何の魚がかかったかを点検する。木や灌木を植えたり、ダーチャの庭仕事をする時間が出来て、私は非常に快適な気分だ。隣に湖があり、われわれはボートに乗ったり、散歩をしたりしている。隔離生活だからといって何らかの圧迫を感じているとは言えないし、強制的中断が私の健全化に寄与するだろうと思う。もっとも今だって十分健康だと感じているけれども。仕事への渇望を蓄積しているのだ。

私の生徒たちについては、全く心配していない。何故なら、彼らはタチヤーナ・ニコラエヴナ・プロコフィエワの指導下にあるから。彼女は振り付けに関するオンライン授業を毎日行っており、必要とする特別なエクササイズを各スケーターに与えている。全般的身体訓練のコーチであるイェゴール・チェルィシュキンとイーゴリ・アフォーニンは、一定の身体的質の発達に向けて毎日取り組んでいるわれわれの共同作業の中で形成された、共通の原則に沿って素晴らしい仕事を続けている」。

—隔離が終了する時、どのようにそこから出て行き、トレーニングをどう構築するのでしょうか? アスリートたちはシーズンに向けた十全な準備が間に合わないのでは無いかという危惧はありますか?

「いかなる類推も完全に正確にはなり得ないが、それでも類推することは出来る。ロシアの過去の優秀なスケーターたちを思い出す — チェトヴェルーヒン、オフチンニコフ、ボブリン等を。彼らも当時、エレメンツ実行の難易度では先駆的な存在だった。当時は休暇が長かった。何人かの選手たちは一人で、あるいは両親たちと休暇に出かけ、健康増進キャンプもあった。その後アスリートたちが帰って来ても、リンクがまだ使えない時もあり、氷を《溶かしていた》こともあった。結局のところ、アスリートたちは一ヶ月半か、あるいはそれ以上滑らなかった。しかし、氷に出て一週間後か、最大10日後には、練習で自分たちのウルトラCを — 当時のウルトラCを実行していた。

過去の世代が、今の世代よりも才能があったとは思わない。故に、現代のフィギュアスケーターたちも練習再開後一週間が過ぎたらウルトラCを行うだろうと予想している。そして私はフィギュアスケート界に、愁訴や嘆息ではなく、物事の楽天的な見方をするよう呼びかけたいと思う。もしアスリートたちが、《ワオー、私は滑って三日目だけど、これが出来たよ! 一週間練習してこれが上手く行った!》というような情報を交換したなら、どんなに良いだろうか。もしフィギュアスケートの情報空間がポジティブなニュースで満ちたなら、それは正しいことだろうと思う。それはクリエーティブで、有益で、正当なことだろう」。

—練習のこの時期に陥る可能性のある「落とし穴」はどのようなものでしょうか?

「私が考えるところの起こり得る困難は、すぐには現れず、個々のエレメンツを実行する時期が終わり、これらのエレメンツをまとまりの流れの中で — プログラム全体の流れまで行かない時でさえ — 実行しなければならない時に現れる筈だ。その時、アスリートの身体には、力強さと持久力というひどく相反する二つの質を結合することが要求されるだろう。私は何を念頭に置いているか? プログラムの中で — 個々の断片の中でさえも — 難易度の高いエレメンツを実行すること、それが要求することは、単なる速度ではなく、単なる持久力ではなく、高速度かつ力強さの持久力なのだ。

それをどのようにして獲得するのか? 何によって? かつて世界陸上のリーダーたちが、世界記録保持者だったハーバート・エリオットを始めとするオーストラリアのランナーたちであった時代を私は覚えている。これらのアスリートのコーチたちは、成功の鍵は、準備段階における均等な(速度の?)、長距離走であると考えていた。もしフィギュアスケートに当てはめるとすれば、ソヴィエトフィギュアスケート発展のある時期に多くの悪口を言われた、いわゆる全体流し滑りによるプログラムの滑り込みが、今の状況では有益ではないかと思っている。トレーニングのこの形式は現在、以前と違ってそれ程人気が無い。しかし、全体流し滑りは、疲労時のエレメンツ実行に向けたアスリートの準備に寄与出来る。尤もこのようなトレーニングを常時実践することも正しくはない。何故なら、現代的かつ最も進歩的方法は、全てのエレメンツを入れたプログラム全体を実行することだからだ。しかし、これには準備段階を経た後に取り掛からなければならない」。

—つまり、落ち着いて一歩ずつ進もうということですね。

「われわれをこれから待ち受ける期間を、私は落ち着いた期間とは言わない。それは困難なものだろう。それは緊張と不安の期間だろう。もし怪我の期間ではないとしたら、尤もその可能性もあるが、機能的能力、自律系統は乱れを来す期間だろう。しかし、心得のあるアプローチの下では、全てが克服可能だ。スケーターたちが崩れて、ジャンプが出来なくなるという危惧は私には無い。出来るだろう。しかも非常に早期に。一方で競技への準備が整うこと、これは問題になるだろう」。
・ ・・
—最近、フィギュアスケートの寿命についての論議が展開されています。あなたの立場は?

「次のように答えよう:長い期間滑ることも出来るし、短い期間滑ることも出来るが、必要なのは良い滑りをすることだ」。

  1. 2020/05/04(月) 23:49:00|
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