楽天市場 あれこれ 2020年07月
fc2ブログ

あれこれ

2020/02/27 イワン・リギーニ「自分のクレージーな世界を気に入っている」

https://russian.rt.com/sport/article/719782-rigini-figurnoe-katanie

2020/02/27 イワン・リギーニ「自分のクレージーな世界を気に入っている」— バーテンダーとしての仕事、自分のブランドの衣服の路線、オリンピック出場の可能性について

====一部抜粋====

(エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ)

父方の出自により彼はロマであり、バリーエフという姓でロシア代表として滑り始めた。そして恐らく、フィギュアスケートにはより華麗なキャリアも、よりボロボロのキャリアも無いということは論理的なことだ。イワン・リギーニは2度ロシアジュニアチャンピオンになり、4度イタリア選手権で勝利し、エヴゲーニー・プリューシェンコ、イリヤ・アヴェルブーフのショーで滑り、タチヤーナ・ナフカのミュージカル《ルスランとリュドミ-ラ》ではチェルノモール(訳注:ずる賢い魔法使い)になった。ここ三年間はショーArt on Iceに出演していて、Russia Todayのこのインタビューはその折のもの。

—あなたは2016年のボストン世界選手権で皆を感動させました:ショートでもフリープログラムでもトップテンに入りました。その後に何故競技スポーツを終わりにしたのですか?

「すぐに終わりにしたのではなく、さらに一年イタリア代表として滑ったが、オリンピックシーズンになって、イタリア人たちは僕をオリンピックに送り出すつもりが無いことを理解したのだ。イタリア選手権で2位になったが、それはあまり美しい話ではなかった。僕ではなく他の人間が最良の選手になることを求められているのだと、何か非常にあからさまに理解させられたのだ。最初僕はこのことで落ち込んだが、でももうそんなに若くないし、自分にはすすり泣いている時間は無いのだと決心したのだ。すぐにArt on Iceに出会い、人生が変わった。オリンピックに行かなかったことをちっとも悔やんでいないと、たちまち理解したのだ。Art on Iceでは何かすぐにメンバーに入り、このショーに出演してもう3シーズン目だ」。

—慣れ親しんだ生活全体が一瞬にして終わった時、それは辛い時でしたか?

「どちらかと言うとそれは、考え始めるのを余儀なくされた時だった。恐らく、人生において何かを変える時期が来ていたのだ。いつも誰かからのお金を期待し、自分に資金提供をしてくれるように頼み、コーチが何故自分に支払ってくれないのかと不安になったり質問したりしないように、コーチに支払ってくれるよう頼んだりすることが、もうたくさんだったのかもしれない。このような問題は、そもそも、アスリートを煩わせるべきじゃないと僕は感じるのだ。しかし、僕の人生はいつも簡単には行かないものだった。

僕はジュニアの時は非常によくやった。ロシアでトップになった。その後怪我をした。当時トレーニングしていたのはニコライ・モローゾフのところで、非常に大きなグループだった — 高橋大輔、ハビエル・フェルナンデス、フローラン・アモーディオ、セルゲイ・ヴォーロノフ、アリョーナ・レオーノワ、ニキータ・カツァラーポフ/エレーナ・イリイヌィフ組。ただし、グループの中であなたがナンバーワンでないとすれば、あなたとの働き方が違うのだ。それでイタリアのために滑るために自分の内部が成熟したことも分かって、僕は去った — モスクワで生まれたけれども、生まれた時から僕のパスポートはイタリアのものだったから。しばらくの間、サンクト・ペテルブルクのオレーク・ワシーリエフのところで滑り、その後オーベルストドルフのミハエル・フートのところへ行った」。
・ ・・・
—アスリートが連盟から財政的支援を受けず、スポンサーもいない場合、フィギュアスケートはどれ程お金がかかるものなのですか?

「それは非常に大きなお金だ。膨大な金額をフィギュアスケーターの誰もがあなたに言うだろう。スケート靴だけでも1000ドルかかる。それに加えてコスチュームを作る。最低でもそれには相当な額が出る。その上、もちろん、一日2回のトレーニングが必要だ。1時間半ずつは欲しいところだ。または1時間ずつ3回。この他コーチを雇って、リンク代、全般的身体訓練、特殊訓練、振付け費用、治療・リハビリ・回復の費用を支払わなければならない。これら全てが自己負担だ。フィギュアスケーターに給料が支払われるのは、ロシアとアメリカだけだ。スポンサーを探そうと試みることは出来るが、あなたに知名度が無かったなら、スポンサーの誰一人あなたに興味を示さない。

一時期僕はいつも考えていた — 23年間これをやったようにして努力したなら、それ程才能が無くたってどんなビジネスでも、どんなスポーツ種目でも成功しただろうにと。この期間があれば、サッカープレーは間違いなく習得しただろう — ナショナル選抜チームの大部分のプレーヤーたちに遜色なく。しかし、フィギュアスケートでは、グローバルな観点で論じるとすれば、普通に稼げる機会が事実上無く、スポンサーシップも無い。コスチュームにNikeのロゴチップを縫い付けてスケーターが世界選手権に出て行くことは出来ないのだろうか?

つまり、フィギュアスケートが人気にも関わらず、そこには重要なもの — 商業が無いのだ。これは国際スケート連盟がどうしても解決出来ない、僕たちのスポーツ種目の重要な問題の一つだと思う。連盟には日本のスポンサーはいて、そのお陰でフィギュアスケート全体が息をしているのだから、日本のアスリートたちはお金を得ている。ヨーロッパでは全くこれとはほど遠い。スポンサーがいれば、競技会は全く違ったものになるだろう。実際の広告が現れれば、世界チャンピオンは勝利の報奨金で5万ドル受け取り続けることもないだろう。これは一見しただけでは大金だが、大会開催国に10〜15パーセント、30〜40パーセントを自分のコーチングスタッフに、さらには連盟に何かしらの支払いをして、税金を納めた時、計算してみれば分かるだろうが、全く何の収入にもならないのだ。しかも、この5万ドルを得ることが出来るのは、羽生結弦を倒してからだ。あるいはネイサン・チェンを。やってみたら良い、彼らに勝てるかどうかを・・・」。

—フィギュアスケーターの立場から見て、羽生結弦は人でしょうか、あるいは銀河系間の異星人でしょうか?

「異星人だ、間違いなく。僕は彼をこうも呼ぶ:粘土細工異星人」。

—このフィギュアスケーターの中で、最も説明が付かないものは何ですか?

「僕にとって驚くべきことは、最も深刻な怪我も含めて、どのような怪我であってもあまりにも早く恢復することだ。どれ程彼は柔らかいのか — 関節も、どこもかしこも。彼は、僕に言わせると、ヒトの非常に良い組立部品を持っている。内部の彼は本当に何らかの塑形用剤で出来ているのだ — 足は氷上で別々の方向に湾曲する。羽生に起こったような怪我のうち何らかのものが僕に起こったとしたら(どうかそんなことになりませんように)、恐らく僕は二度と足で立てないだろう。

それに加えて結弦には、非常に強い魂がある。実在するサムライ魂だ。これら全てが合わさって、彼を非常にクールで、特別なものにしている。無駄に滑り回るのを回避出来るのは、ジャンプを感じる能力、氷を感じる能力、難しいジャンプをほとんど助走無しで跳ぶ能力だ。あの宇野昌磨も非常にクールなフィギュアスケーターだ。しかし彼は、羽生がやらかす奇妙なことをやることは出来ない。そもそもそれを出来る人はほとんどいないのだ。もっとも、羽生は、宇野もそうだが、子供の頃僕たちが常に教えられたように《アイロンで》 — 足を引っ張らずに — 滑っている。一方でチェンは、一つ一つの動きの際に足を引き抜いている。僕にとっては、そこに違いがある」。

—ショー出演のアドレナリンで、あなたには足りていますか? 競技スポーツに逆に引き寄せられないですか?

「引き寄せられる。絶え間なく仕事をすることでこれを埋め合わせている。それは出し物だったり、何らかの新しいプロジェクトだったり、新しいビジネスだったり。僕はいつも忙しいし、それは良いことだ。しかし、さらにもう少し滑ることも除外していない。だって、僕は現役を引退するとはどこでも言わなかった。しかも、イタリアとの関係を終了すると決めた途端、すぐに二つの国が、彼らのために滑るようにと僕にオファーを出して来た。だって今僕は、自分が望むなら、どの国のためにも滑ることが出来るのだから」。

—中国でのオリンピックであなたを見るというバージョンもあり得ると言いたいのですか?

「十分可能だ。全てを整えるために丸一年あるのだから」。

スポンサーサイト



  1. 2020/07/17(金) 03:02:00|
  2. フィギュアスケート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

2020/03/22 羽生の傑作、シュレーポフの衣装、トゥトベリーゼの女子生徒たちのセンセーション:フィギュアスケートの今シーズンを総括する氷の《オスカー》に誰がふさわしいか

https://russian.rt.com/sport/article/688743-ledovyi-oskar-tarasova-figurnoe-katanie

2020/03/22 羽生の傑作、シュレーポフの衣装、トゥトベリーゼの女子生徒たちのセンセーション:フィギュアスケートの今シーズンを総括する氷の《オスカー》に誰がふさわしいか

====一部抜粋====

(エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ、ウラジーミル・ザイヴィ)
3月22日、モントリオールではフィギュアスケート史上初めての氷の《オスカー》 — ISU Skating Awardsのセレモニーが行われる筈だった。Russia Todayは、著名なコーチであるタチヤーナ・タラーソワに、世界選手権は中止になったが今シーズンの受賞者として誰を見たいかを質問し、また同時に自分たちが考える年間ベスト賞のリストを提起した。フレデリック・ショパンの音楽に載せた羽生結弦のショートプログラムの傑作、《シンドラーのリスト》のプログラムにおけるアントン・シュレーポフの挑発的な衣装、女子フィギュアスケートの全ての重要な試合におけるエテリ・トゥトベリーゼの女子生徒たちの勝利、これらは専門家たちの心を動かさないではおかなかった。

・ 最優秀選手賞について
[タチヤーナ・タラーソワのバージョン]
「それは、羽生結弦だと思います。チェンへの私の全ての愛情(私はネイサンが大好きです)を持ってしても、この日本人の名前を挙げます。彼は単なるフィギュアスケーターではなく、人物なのです。フィギュアスケートの歴史には、卓越した滑り手たちがいましたが、しかし、羽生は別です。彼は、天界の人です。彼のショートプログラム(ショパンのバラードNo.1)は、一つだけのものなのです — その最後にはスタンディングオベーションをしないではいられない、ひざまずき、それを見る事が出来た事を神に感謝しないではいられない、そういうプログラムなのです。

それは、音楽への100パーセントの呼応、音楽との共体験のみならず、また音符の一つ一つに乗せられた最高難度のエレメンツのみならず、人間の魂と音楽とのある種の驚くべき完全な融合なのです。このようなものを私は人生で二回だけ見たことがあります、氷上でではなく、バレエで:マイヤ・プリセツカヤが《瀕死の白鳥》を踊り、ムスチスラーフ・ロストロポーヴィチがその伴奏をした時と、ニューヨークのバレエスタジオで、ジアナ・ヴィシュニョーワが踊り、ワレーリー・ゲールギエフが指揮をした時です。羽生結弦の滑りは、それと同様の現象なのです」。

[Russia Todayのバージョン]
シーズンの結果で判断すれば、グランプリファイナルで羽生結弦に勝利した(アメリカ人は日本人に二つのプログラムで勝った)、二度の世界チャンピオン、ネイサン・チェン、初めてのシニアシーズンで、グランプリファイナル、ヨーロッパ選手権を含む、出場した全ての国際大会で勝利したアリョーナ・コストルナーヤ、ペアスケートで二度の世界チャンピオン、グランプリファイナルと四大陸選手権では敵無しだったウェンジン・スイ/ツォン・ハン組、そしてフランスのアイスダンサー、六度の世界チャンピオンのガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組を候補者の中に含めなければならなかった。しかし、同等の4人(組)の候補者たちに対して席は一つしかない — それ故に羽生だ:このスポーツ種目に関する認識を激変させた二度のオリンピックチャンピオンは、彼のお陰でこのスポーツ種目にスポンサーからの莫大な資金が集まった、正にそのようなフィギュアスケーターになった。ご存知の通り、お金を侮ってはならないのだ。

・ 最優秀衣装賞について
[タチヤーナ・タラーソワのバージョン]
「このノミネートの公式化は、最初からあまり正しくなかったと感じます。そこでは、そのコスチュームを披露するアスリートに関してではなく、アイディアを思い付き、コーチと一緒になって氷上でそのアイディアを具体化した芸術家について語る必要があります。コスチューム、それはコーチの仕事の一部です。指導者こそが、氷上でどのような自分の生徒を見たいのか、どのような芸術的イメージが具現化されるかを決めなければならないのです。

私は、屈指のコスチュームマスターと一緒に仕事が出来て幸運でした。ナテラ・アブドゥラーエワやヴャチェスラフ・ザーイツェフのような。もっと時代が下ったマスターたちの中では、例えば、ミレーナ・ボプコーワの働きぶりが私には気に入っています。少数の人たちしか知りませんが、彼女は数年間浅田真央のために衣装を縫っていました — 私が真央との仕事を終了した後さえそれをしていたのです。かつて私は真央のためにアメリカで、非常に小柄で痩せた体型向きの、特別な、姿勢を変えられるマネキンを買い、それをミレーナにプレゼントしたことさえあるのです。

もし、具体的アスリートたちのコスチュームについて語るとすれば、良いものがたくさんあります。選ぶことは出来ません」。

[Russia Todayのバージョン]
マジックペンの色や好みは、ご存知の通り、十人十色であるし、我ら編集部の選択がいかに突飛であるとしても、このノミネートはアントン・シュレーポフと、彼のフリープログラム《シンドラーのリスト》に行き着く。国際スケート連盟(ISU)も、ナチス強制収容所のユニフォームを模した、このアスリートのコスチュームをSkating Awardsにと推していたが、インターネットでの世間のネガティヴな反応を恐れて後退し始めた。

もちろん、選択は様々だが、多種多様な衣装とアイディアが限りなくある中で、フィギュアスケート界全体の注目を我々の選択に引き付けられれば、それは当然、一つの達成だ。

・ 最優秀新人賞について
[タチヤーナ・タラーソワのバージョン]
「このノミネートでは、私ならアレクサンドラ・トルーソワ、アリョーナ・コストルナーヤ、カミーラ・ワリーエワの中から選ぶでしょうが、多分、サーシャ(アレクサンドラ)を選ぶでしょう。国際大会で、一つのプログラムの中で4本の四回転ジャンプを成功させて、今シーズンのサーシャが成したことは、今後数年間、女子選手の誰かがいつか繰り返すことが出来るとは考えられません。そもそも、世界で誰一人やっていないことをやることは、非常に難しいのです。しかも、誰もがトルーソワに反対しましたし、規則さえもが、アスリートが自分のジャンプで大きな優越を得られないようにと変更されようとしています。ですから、私は彼女に賛成するのです!」。

[Russia Todayのバージョン]
アレクサンドラ・ボイコーワ/ドミートリー・コズロフスキー組、アレクサンドラ・トルーソワ、そしてアリョーナ・コストルナーヤの選択肢の中で、最後のコストルナーヤを選ぶ。

16歳のモスクワっ子の結果が、自ずと全てを物語っている。Russia Todayのバージョンで名前が上がった三者とも、全てがロシア人であったことは、専門家たちの偏見に罪があるのではなく、《残りの世界》側の競争力の弱さにある。一方で、このロシアが見習うべき人たちはいる。

  1. 2020/07/06(月) 15:26:00|
  2. フィギュアスケート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

2020/06/28 秘されたノミネート:カート・ブラウニングは、ISUが最初に認めたレジェンドになるのか?

https://russian.rt.com/sport/article/759238-isu-nominacii-zagitova

2020/06/28 秘されたノミネート:カート・ブラウニングへの氷の《オスカー》授与が、何故ISU賞の信用を失墜させる可能性があるのか

(エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ)
国際スケート連盟(ISU)の昨シーズンを総括する賞のファイナリストの中にアリーナ・ザギートワが入らなかったことは、カナダ人カート・ブラウニングがノミネートの一つで勝利する可能性ほど許容出来ないことではない。四度のフィギュアスケート世界チャンピオンであるブラウニングは、ISUが最初に認めたフィギュアスケートのレジェンドになりそうだ。世界選手権でカナダの観衆を喜ばせたいという願いと、選出の変更を願わないことが、将来において氷の《オスカー》授与の価値を下げるかもしれない — Russia Todayの記事によれば。

7月11日、国際スケート連盟はオンライン形式でISUスケーティング・アワード授与式を行うが、その場では昨シーズンを総括した7部門での勝者が決定される。当初このイベントはモントリオール世界選手権2020を飾り、シーズンの終了となる筈だった。パンデミックがこれらの計画を妨げて選手権は中止されたにも関わらず、ISUはシーズンの受賞者たちに授与させることを諦めず、金曜日(26日)夜に候補者リスト — それぞれの部門で3人ずつ — を公表した。

ゴール前の最後の直線に入ろうという時に、差し迫った祭典の周囲にスキャンダルを煽る試みが先行した:当初、《最優秀選手賞》、《最優秀衣装賞》、《最優秀作品賞》の3部門で同時に期待されていたアリーナ・ザギートワが、ノミネートの一つにも入らなかったのだ。ある面では、全てが理に適っていた:ピョンチャンオリンピック女王である彼女は、12月に選手活動の一時停止を発表し、しかも、ざっくばらんに言えば、自分のイメージの観点からはあまり計画を練らずにそれを行動に移したのだから。

最初のロシア大統領ボリス・エリツィンのスタイルで音声化されたポジション(《疲れた、私は去る》)は、世界で最も鮮やかな女子スケーターの一人のシーズンが、質の良くない、最後まで全うしないものになったことの誰かの罪を完全に消し去った。したがって、彼女側に礼儀を尽くす理由は、既に無かったのだ。

その一方で、自分の欲したことではないにしても主要な大会の全てに出場しなかったエヴゲーニヤ・メドヴェージェワが、《作品賞》にノミネートされた。それ故、アリーナのファンたちには、自分たちのアイドルが権利を侵害されたと考える諸々の根拠も存在するという訳だ。

それ以外では、緊迫した問題は何ら起こらなかった:三人の受賞候補者たちは、ファンたち、コーチたち、記者たちが自分たちの予想の中で以前に幾度も予測した、正にその通りになった。しかしながら、国際スケート連盟は《レジェンド》のノミネートにおける受賞者の名前は、セレモニーの進行中に明かされるだろうと発表して、依然として秘密の部分を残している。これは十分に理屈に叶っている、というのもこの7番目のノミネートだけは、選出が投票によるものではなく、ISUの決定によるものだからだ。

3月末、Russia Todayは、来るべき賞の勝利者たちの自分たちのリスト(訳注:それによればタチヤーナ・タラーソワも、Russia Todayも、最優秀選手賞は羽生結弦だろうと予想している。特にタラーソワは、ショパンのバラードNo.1を滑る羽生を高く評価している)を作成した。それが作られたのは、モントリオール世界選手権と、同時に氷の《オスカー》のセレモニーの延期が既に明らかになった後のことだった。その時、《レジェンド》の名誉ある称号の史上初めての保有者も含めて、全てのカテゴリーの主要な勝利候補者が列挙された。競争者の中には、ロシアコーチ集団の母たち、タマーラ・モスクヴィナとタチヤーナ・タラーソワも含まれた。その際に、世界選手権での4つの金を持っている地元のカート・ブラウニングに賞が贈られることが、カナダで盛んに言われていたことが指摘された。

このカナダのシングルスケーターの名前が、最後のカテゴリーで本当に指名されるということが起こり得るのだろうか? 十分あり得る話だ。フィギュアスケートのレジェンド候補者の中のブラウニングの存在 — それ自体が不合理な話ではあるが。

五度の世界女王、アメリカのミシェル・クワン、あるいはかつてIMG(International Management Group)と提携して大掛かりなアイスショーStars on Iceを創設した、オリンピックチャンピオンにして四度の世界王者スコット・ハミルトン、あるいはまた男子シングルスケートがどうあるべきかについての認識を激変させたカナダのシングルスケーター、トーラー・クランストンなどの推挙の方がはるかに疑問は少なかっただろう。

もっといる。今も健在でいる人たちの中で唯一の二度のオリンピック女王カタリーナ・ビット、彼女は世界選手権で四度勝利してもいる。さらに再びコーチ集団の代表者たちに目を向けるとすれば、タラーソワやモスクヴィナの他に、このスポーツ種目の発展に国の枠を超えて多大な貢献をした全ての人たちに言及する価値がある:ユッタ・ミュラー、アレクセイ・ミーシン、フランク・キャロル、二度のオリンピックチャンピオンであり五度の世界チャンピオンのディック・バトン、彼はプロフェッショナルたちの世界選手権を25年にわたって牽引もした。そして最後になってしまったが、大掛かりなチャンピオンたちのショーのアイディアをフィギュアスケートにおいて最初に実現したトム・コリンズ。この本物のレジェンドたちの多様性の中から、どのようにして誰か一人を選ぶというのだろうか?

ブラウニングに対して三顧の礼を尽くしたい気持ちも理解出来る:セレモニーは、地元のホッケークラブ《カナディアンズ》がホームマッチを行う、モントリオールで最も有名なアリーナの一つ、2万1千人収容の《ベルセンター》で行われる計画だった。イベントは、カナダの観客、スポンサー、テレビの大きな関心を集めて催されなければならなかった。彼らは、多分、フィナーレの最後のノミネートで自分たちの地元のスターを見たがったのだ。しかし、ショーのオンライン形式への移行により、微妙な点が色々と浮かび上がって来た。

7番目のノミネート、それが全く特殊で、最も客観性に欠けるものであることは注目に値する。上で挙げたような人々の中から一人の候補者を選出すること、それは極めて困難な課題だ。どのようなバージョンであろうと、それが正しくなく、許すことが出来ない不公平だと考える人々が常に存在する。第二の重要な点は、今年のセレモニーが第一回目のものだということだ。つまり、正にこのセレモニーが歴史に一定の原則を植え付けるのだ。公正さをも含めて。

驚かされるのは、シーズンの最優秀選手や最優秀コーチと同等に毎年《レジェンド》を選出するということが、そもそもあまり正しいことではないという事実が、組織者の誰一人の頭にも浮かばなかったということだ。だって、それは今の英雄やチャンピオンの話ではなく、時代や国籍を超えた人物についての話なのだから。もしかしたら、具体的な人間ではなく、何らかの偉大なパンテオンについてだったなら、この意味ではより理に適っていたのではないか。

この選出が、氷の《オスカー》の基盤に礎石として根付くためには、おそらく、今後の全ての世界選手権の主催者に、ホールの天井にレジェンドの名前が入った旗を上げることを義務付ける価値はあるかもしれない、ちょうどホッケーでスターの名前入りのセーターを天井近くに掲げるように。

今、これらのことがどのような結末を迎えるのか興味深い。もしブラウニングが本当に最初の《レジェンド》になるとしたら、それはISUにとってもう一つの頭痛の種に転じる可能性は十分ある。今後全ての世界選手権の主催者たちを自由に行動させることになるのだから。その時、あのフランスがアラン・ジレッティかフィリップ・キャンデローロのために《オスカー》を要求しないといえるだろうか、スイス人はデニス・ビールマンとステファン・ランビエールのために、スペイン人はハビエル・フェルナンデスのために、日本人は羽生結弦のために? もっとも最後の名前(訳注:羽生)の《興行収入》を考慮すれば、既に今でも、7つのノミネートのうち少なくとも5つの部門に彼を含めるよう要求することが出来る。しかし、氷のISU Skating Awards(ISUスケート賞)は、それをしてより権威が高まるだろうか? 

  1. 2020/07/01(水) 21:20:00|
  2. フィギュアスケート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0