あれこれ

2016/03/19 失敗を重ね、瘤をこさえ、そうして経験、技を積まなければならない

http://www.sovsport.ru/gazeta/article-item/891866

2016/03/19 失敗を重ね、瘤をこさえ、そうして経験、技を積まなければならない

(アンドレイ・シモネンコ)
デブレツェンの世界ジュニア選手権で、誰よりも良くショートプログラムを滑ったロシアのフィギュアスケーター、ドミートリー・アリーエフとアレクサンドル・サマーリンは、フリースケーティングでリーダーのポジションを維持することが出来ずに、メダル無しで終わった。

自分たちのチャンスを取り逃がしたアリーエフとサマーリンに対する大いなる遺憾の念が少し静まった時(三番目のロシアの出場者ロマン・サヴォーシンについては、ここでは触れない。なぜなら、彼のチャンスは初めから無かったのだから)、コップに関する哲学的問いが思い出された。それは半分も空なのか、それとも半分も満たされているのか、どちらだろう、というものだ。 だって、もしも例えば、二人が総合成績で10位以下から4位と6位に上がったのだったら、ここ6年間でロシアのジュニアシングル選手が今回よりも良い成績を収めたのは2014年の世界選手権の時だけだと、われわれは話していただろう。あの時はアジヤン・ピトケーエフが2位で、アレクサンドル・ペトローフが4位だった。それ以外の世界ジュニア選手権での成績は、今回よりももっと悪かったり、ほぼ同じようなものだった。例えば昨年は、同じピトケーエフとペトローフが5位と6位だった。

しかし、もちろん、ハンガリーの奥地の晴れ渡ったこの夜、コップは、ロシアのファンたちにとって空(から)以外の何物でも無かった。しかも半分ではなく、全部。最終グループのトップに滑った競技リーダーのアリーエフは、最初のジャンプを4回転トウループの代わりにダブルトウループを跳び、その後もまともなトリプルアクセルが無いまま終わった。次、2番目に出て行ったサマーリンは、4回転は無理やり遂行したが、質の良いアクセルを跳ぶことが出来なかった。おまけにループでは転倒した。もし専門用語を使わずに簡単なことばで言うとすれば、全てをまとめて「失敗」と表現出来る。

もちろん、この世界選手権をアメリカと日本の最強のジュニアたち、ネイサン・チェンと山本草太が怪我のため欠場し、アリーエフとサマーリンがデブレツェンからメダルを持ち帰るチャンスが相当に大きくなったことにも触れなければならない。なぜなら、ロシアの選手たちの二人の主要なライバル:ラトビア代表デニス・ワシーリエフ(ヴァシリエフス)とイスラエル代表ダニエル・サモーヒンは、シーズンを通して安定性には秀でていなかったのだから。特にヴァシリエフスは、フリースケーティングでも失敗し、この評判を裏付けた。

しかし、忘れてはならないのは、不安定性というのは、アスリートがある時には「プラス-パフォーマンス」を、ある時には「マイナス-パフォーマンス」を見せることを意味しているということだ。そしてサモーヒンにとっては、ここで「いいね」の順番がやって来たのだ:ショートプログラムでロシアの選手たちに、ほぼ10ポイント遅れをとりながら、フリーでは、三つの四回転ジャンプをクリーンに跳び、彼の後に滑ったライバルたちに自己ベストを破らなければならない必要性に立たせた程の総合点数を獲得したのだ。ついでに言えば、イスラエルの彼は、ショートプログラムで9位だったので、最終グループにも入れなかったのだ。

もちろん、ロシアジュニア選手権優勝者としてデブレツェンに乗り込み、ロシアの主要な金メダル候補であったアリーエフにとって、今、言い訳を見つけるのは非常に難しい。彼は自己ベストをたった1ポイント上回るだけで良かったのだし、もし彼が、プログラム冒頭のお気に入りの四回転を回りきりさえすれば、残りのものなど、早い話が、一杯機嫌で出来ただろうに。サマーリンにとっても、四回転にそれ程自信がないにしたって、クリーンな滑りをするだけで十分だっただろう。しかし、前者も後者もそれが出来なかった — ただ、彼らはこの選手権で、来年の世界ジュニア選手権へのロシアの3枠だけは確保して、最小限の課題を遂行したことは述べておこう。

しかし、上記の全ての「もちろん」は、上層部に浮動している若干の専門家たちの冗談ともつかぬ気分で、エヴゲーニー・プリューシェンコの後ロシアには男子シングルスケートは無い、と表明する根拠とは全くならない。ロシアに男子シングルスケートはある。そして今、それのために出来る最善のことは、コーチたちとその生徒たちに、体系的に仕事をする可能性を与えることだ。際どい瞬間に「バーンアウト」せず、神経を克服することを、魔法のように一瞬で学ぶことは不可能だ。「宇宙の」羽生結弦を追う前に、まず、失敗を重ねながら、瘤をこさえながら、経験、技を積み重ねなければならない。それは、実を言えば、長い間羽生自身も取り組んで来たことだし、われわれが今、取り組んでいることでもある。
関連記事
スポンサーサイト
  1. 2016/03/25(金) 02:45:18|
  2. フィギュアスケート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<2016/03/24 ツールスカヤとフェージチキナは靭帯損傷と診断された | ホーム | 2016/03/23 ロスチスラフ・シニーツィン「女性パートナーのことを考えなさい、とカツァラポフに言った」>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kurkuma.blog.fc2.com/tb.php/1788-63ed18de
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)