あれこれ 2017/04/01 羽生結弦:一人の俳優のための舞台

あれこれ

2017/04/01 羽生結弦:一人の俳優のための舞台

http://www.sport-express.ru/figure-skating/reviews/yudzuru-hanyu-teatr-odnogo-aktera-1237530/

 

2017/04/01 羽生結弦:一人の俳優のための舞台

 

(エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ、ヘルシンキ発)

愛国的偏向は、競技観戦を著しく妨げるものだ  重要なものを覆い隠す。もちろん、大会の主人公たちが正に「あなたの国の」アスリートの時もある  オリンピックチャンピオン、アレクセイ・ヤグージン、エヴゲーニー・プリューシェンコが男子シングルスケートで長年滑っていた時のように。しかし、むしろそちらこそが、いわば、夢のような状況なのだと言える。

 

ヘルシンキのショートプログラムでロシア人たちが7位と10位だったことは、落胆するに及ばなかった:ミハイル・コリャダーとマクシム・コフトゥンが占めた順位は、現実の力関係を反映しているに過ぎない。それを素直に甘受しなければならない。

 

ヘルシンキで男子の試合が始まったその日に、プリューシェンコが現役引退を公式に発表したことは、非常に象徴的だった。それは、復帰への全ての道が断ち切られたことの潜在的告白のためには、よりふさわしい環境だった:最良の代表者たちを持つ男子シングルスケートは、ついに宇宙軌道へ逃げ去ったのだから。跳び縄を飛び越え跳ねながら、果てしなく広大な宇宙へと。

 

男子大会の最も熱い視線を集めるタイトルを、土曜日(41)の最終グループ戦開始までは、私は何の躊躇もなく世界選手権二度の勝利者ハビエル・フェルナンデスに与えたことだろう。一見ハビエルは、ヘルシンキでいささかオフサイドにいた:ネイサン・チェンを筆頭とした『多回転』組が繰り広げる四回転の数の競争の外にいたのだから。

 

アメリカ人ネイサン・チェンは、フリープログラムで四回転ジャンプ5本、ソチオリンピックチャンピオン羽生結弦、彼の同国人宇野昌磨、中国のボーヤン・ジンは四本ずつ申請していた。

 

対戦相手と比較してスペイン人は、一見、それ程優勢では無かった。より正確には、全く優勢では無かった。彼は一度も羽生ほど「宇宙的」であったことはなかった  羽生は、エイリアン的な、伸張性ある優美な動作法を持ち、ジャンプにおいては他の誰も出来ないように「爆発し」、飛揚する能力を持つスケーターなのだから。ハビエルのジャンプの武器庫は、チェンとは程遠いものだった。あるのは伝統的なトウループとサルコウだけで、それらの一つをハビエルはコンビネーションでも跳ぼうとしていた。

 

しかし、これら全てが何と自信に満ちて観客に披露されたことか!それどころかハビエルは、フィギュアスケートは彼の人生で重要なものではない、いや「全く」重要ではないと、あたかも自分にとって最終的決断を下したかのようにして、(余裕を持って)シーズンを開始した。

 

確信はないが、しかし、おそらく、非常に多くの大会のなかで世界選手権はフェルナンデスにとって、アドレナリンが出る戦いの味を感じさせ、無我夢中でその戦いに没頭することを余儀なくさせる唯一の大会だったのかもしれない。いずれにせよ、木曜日のショートプログラムで彼が見事なパフォーマンスを披露したことことで、土曜日にもそれと同じものをハビエルは期待された。

 

スポーツのことばで言えば、それは「タイトル防衛」と呼ばれた。三回目のチャンピオンの王冠を獲得することだった。

 

羽生は、トレーニングメイトのこの課題を困難にする、全てのことをやった。「このような滑りを世界はかつて見たことがなかった」という熱情的フレーズが口について出る程に  そしてそのフレーズも、事実の確認にしか過ぎないのだ。223.20という結果は、一昨年のグランプリファイナル決勝で記録した、日本人のフリープログラム個人記録を約4ポイント超過した。総合得点の記録が作れなかったのは、結弦がショートプログラムのコンビネーションジャンプをダメにして5位になり、フェルナンデスに10ポイント以上負けたからだ。

 

この日本人には全く及び難しの感にもかかわらず(試合終了を待たずに、羽生のフリープログラムの結果はもう誰も越えないだろうと表明することが出来た)、試合展開はまだ読めなかった:昨年の世界選手権で出したハビエルのフリープログラムベスト記録は、オリンピックチャンピオンが出した記録よりも6.79ポイント低いだけだったから。

 

フェルナンデスと羽生の間に「クッション」として四人もいて、彼らの滑りが、羽生の滑りの衝撃を適度に抑えてくれたことは、ハビエルにはむしろ幸運だった。

 

言い換えれば、全ては現世界チャンピオンの手のなかにあった。正確に言えば、「足のなか」に。

 

「人間と龍との戦闘」は成功しなかった:自分の四回転ジャンプの三回目でフェルナンデスは転倒し、その後いつくかのミスが出た。原因は、前方にくっきり見える三番目の王冠のために、ハビエルは競技会の枠だけでなく、各練習でも、ジャッジたちの好感を自分の側に引き付けながら、ライバルたちと相戦わなければならなかったことにあるかもしれなかった。ついでに言えば、彼は素晴らしくこれに成功していた:練習でのランスルーの目撃者たちは、スペイン人のあまりの素晴らしさに驚き続けたのだから。

 

しかし、最後の戦いには、神経が不足していた。二度の世界チャンピオンは最後まで戦ったが、本質的には、男子の試合が結局のところ一人の俳優のための舞台と化すための貢献をしただけだった。

関連記事
スポンサーサイト
  1. 2017/04/09(日) 21:30:37|
  2. フィギュアスケート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<2017/04/11 ジョニー・ウィアー「芸術面で羽生を際立たせているのは、彼はピアノ作品からロックまで全て出来ることだ」 | ホーム | 2017/04/07 ニーナ・モーザー「エヴゲーニヤ・タラソワは制限なく練習しており、半分は抜糸した」>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kurkuma.blog.fc2.com/tb.php/2272-6bcb44ca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)